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07 ,2016
「チョコレートセミナーに出席」
今日は夜7時からショコラコンシェルジュ®の平田さんのチョコレートセミナーに出席。平田さんとは以前『食楽』のマリアージュの対談や、スコ文研の定期セミナー、フェスのセミナーでもご一緒しているが、自分が聴き手になって参加するのは今回が初めて。改めてチョコレートの基本を学ばせてもらった。
カカオ豆の生産量は全世界で年間約420万トンほど。すぐに我々はウイスキーの原料である大麦と比べてしまうが、大麦のそれは約1億4000万トンほどでカカオ豆とは比べものにならない。もちろん大麦は主食の穀物であり、全世界で広く栽培されているのに対して、カカオはカカオベルトという熱帯地方のごく一部でしか栽培されていないという違いはあるが。
しかし、その数字は私にとって少し意外な数字でもあった。もともと紅茶の本を書いていることもあり、(今もたまにセミナーをやる)、茶については少し知っているつもりだが、葉の生産量は約450万トン。同じ豆であるコーヒー豆の生産量が約860万トンである。
チョコレートというと南米エクアドルなどでのカカオハンターがテレビなどのドキュメントになっていることもあり、うっかり大変希少なものだと思いこんでいた。もちろん貴重であることは間違いがないのだが、420万トンという数字はそうしたイメージからは程遠い気がする。
生産国第1位はコートジボワールで、その生産量は年間174万トン。第2位がガーナで69万トン、そして第3位がインドネシアで37万トン。主要生産地域はアフリカ、アジア、中南米で、そのうちアフリカが7割を占めていることも知った。
ちなみに1本のカカオの木から取れるカカオ豆は多く見積もっても年間1200個ほど。発酵・乾燥後の豆の重量がどれほどあるか知らないが、仮に1個5グラム(1円玉5個)として、1本の木から収穫できるカカオ豆は6キロほどということになる。これを例えばコートジボワールの174万トンで考えると、約3億本の木が必要になり、やはり、これはすごい数字である。ぜひ、その栽培風景を見てみたい気もするのだが・・・。
もうひとつ、カカオ豆は収穫直後に、その回りを包んでいるパルプという白い果肉とともに自然発酵させることも知った。これはもちろんアルコール発酵とは違うと思うのだが(それとも同じ?)、これによって果肉に包まれていたカカオ豆が影響を受け変化する。ワインは果肉を発酵させてワインとするが、カカオはその種(豆)を加工するのだ。
と、知っているようで知らない話ばかりで、非常に興味深かった。講義はそのカカオ豆2種のテイスティングに始まり、その後産地別の6種のチョコレート、そして最後は最新のトレンドである”ビーン・トゥ・バー”の貴重な2種類、計8種類をテイスティングすることができた。今回はマリアージュはやらなかったが、いつか機会があればスクールでもやってみたいと思っている。
試食したマダガスカルやペルーなどの個性の強いものはスコッチのシングルモルトと合わせると面白いが(タバコやナッツ、酸味のあるフレーバーからマッカランなどのシェリー樽系か・・・)、それ以外のものはやはりコニャックが合いそうな気がする。
コニャック取材後に、そのコニャックのセミナーもやりたいと思っている・・・。
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