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  07 ,2017

プロフィール

mtsuchiya

現在、作家、ジャーナリスト、エッセイスト、ウイスキー評論家、日本初のウイスキー専門誌『Whisky Galore』(2017年2月創刊)の編集長として活躍中。2001年3月スコッチ文化研究所(現ウイスキー文化研究所)を設立。

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「リベットの謎のボトル、サイファーとは・・・」

 大阪フェス翌日の月曜日は休みとしたが、私は日・月ともに事務所に行き、次号『ウイスキー通信』の事前テイスティング。昨日はスタッフも揃い、通常業務にもどる。といっても大阪から送った荷物がフロアを占拠していて、足の踏み場もない。

 今日は昼前にウイ文研へ行き、1時から『ウイスキー通信』のテイスティング座談会。本当は2週間前にやる予定でいたが、私の入院で延期となっていた。急なスケジュール調整だったため、今回の参加者は私も含めて5人。そろそろテイスティングのやり方も含めて、変えないといけない時期にきているのかもしれない・・・。

 回のアイテムは、①グレンロセス・ピーテッドカスク、②アードモア・レガシー、③ラガヴーリン・2015ジャズフェスティバル、④アードベッグ・ダークコーヴ、コミッティリザーブ、⑤ブッシュミルズ・シェリーカスク、⑥アルバータ・ダークバッチの6種類。その後、話題のボトルとしてキリンの薫風、グレングラッサのオクタブカスクの2つも取り上げる。

 ①から④までは、ピートの度合で選んだもので、最近アイラカスクでフィニッシュさせることがトレンドになっているのか、大阪フェスのウイ文研オリジナルのカバランもそうだが、アイラカスクが人気である。アイラモルトはその中味だけでなく、空き樽にも注目が集まっているのだ。

 グレンロセスのものは商品説明にも1887年のグレンロセスとブナハーブンの合併のことが述べられているので(この時誕生したのがハイランドディスティラリーズ社)、アイラカスクはブナハーブンのヘビリーピーテッドの樽かもしれない。もっともBBRも、エドリントングループも、それ以外のアイラカスクを手に入れるのは簡単なことだから、ブナハーブン以外の樽ということも大いに考えられるが。

 ②のアードモア・レガシーはグレンロセスと比べても、しっかりとピートが効いている。もっとも、このピートは東ハイランド産の内陸部のピートで、アイラのピートとはまったく異なるフレーバーを生んでいる。

 ③のラガヴーリンは12年と18年のブレンデッドで、もちろん蒸留所限定。4月末のアイラツアーの際に買ってきたものだ。④のアードベッグも蒸留所で買ってきたもので、通常のバーボンバレルの他にダークシェリー樽の原酒がブレンドされていて、アードベッグ史上、「もっとも色が濃い」といわれるもの。今年のアードベッグデーで発売されたダークコーヴとは、度数もラベルの色も違っている。

 実際、見学後に海に突き出たピアー(桟橋)で試飲させてもらったが、実に美味で、即決で買うことを決めたボトルだった。ダークシェリーと言っているのはペドロヒメネス、あるいはモスカテル系のスイートシェリーのことだと思うが、それ以外のシェリー樽の可能性もある。毎回、こちらが予想もしないことを見せてくれるのが、ビル・ラムズデンさんだからだ。

 ⑤は珍しいブッシュミルズのシェリーカスクで、しかも1リットルの免税店向けボトル。ラベルには初めてブッシュミルズを積んでアメリカに向ったブッシュミルズ号が描かれているが、これはその船の就航125周年記念ボトル。この船は1890年代に横浜にも来ているというが・・・。

 ⑥はカナディアンのアルバータのライウイスキーに、8%のバーボン(オールドグランダッド)、1%のシェリー酒をブレンドしたもの。たった1%だが、シェリーがかなり効いている気がする。これはウイスキーというよりリキュールといった感じで、このまま飲んでも実に美味しい。
 
 最後の薫風、グレングラッサについては。通信を見てほしい。ということで4時前にテイスティングは終了し、そのまま4時半に事務所を出て渋谷のレストランへ。5時からグレンリベットのシークレットボトル第2弾、「サイファー」のプロモートのために来日しているイアン・ローガンさんにインタビュー。

 次号の『ウイスキーワールド』の企画で、サイファーは『暗号』のこと。辞書で調べたら、もともとアラビア語が語源で、ゼロという意味もあるのだとか。英語としてはコードといった単語のほうがなじみがあると思うのだが、よりミステリアスなイメージということで、サイファーという名前が選ばれたのだろう。黒のボトルが、よりクールでスタイリッシュだ。

 もちろん中味については一切ヒントは得られなかったが(それではインタビューにならない?)、定番のリベットにはないアロマ、フレーバーがあり、実に興味深い。それは・・・、まあ、見て、飲んでのお楽しみだろう。日本では8月上旬発売予定で、1824本限定になるらしい。全世界では3万3000本だと、イアンさんは言っていた。

 リベットの新しい蒸留所の話も聞いたが、それも詳細が発表になってからのほうが良いだろう。いずれにしろ2年後くらいには完成するそうなので、そのタイミングで再び取材に行きたいと思っている。イアンさんからは、ダルメニャック、アイラ島の新しい蒸留所の話も聞いたが、それもいつか機会があれば、お伝えしたいと思っている。

 とにかく、大阪フェスに、わざわざ私をたずねてくれたが、「会えなくて心配していた」と言ってくれた。本当にありがたく、申し訳ない気持ちで一杯であった。


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