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  09 ,2017

プロフィール

mtsuchiya

現在、作家、ジャーナリスト、エッセイスト、ウイスキー評論家、日本初のウイスキー専門誌『Whisky Galore』(2017年2月創刊)の編集長として活躍中。2001年3月スコッチ文化研究所(現ウイスキー文化研究所)を設立。

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「バーショーと琵琶湖クルーズ・・・」
 取材やインタビューの合間に今週は東京バーショー、大阪フェス、長和フェス、9月22日に行われる琵琶湖の”ウイスキークルーズ”のミーティングなどが相次いでいる。

 バーショーはブースを出展するだけだが、私はクリスティーナが来日し、マスタークラスを受け持つこともあり、その取材も兼ねて2日とも行く予定でいる。なかなかこの腰の状態ではベタに居ることも叶わないだろうが、空いている時間はなるべくブースにもいたいと思っている。

 そのブース用の荷物の梱包作業も行い、すべての本にもサイン。合間にスカパーの4K番組の取材も受け、そして特別技術顧問のHさんとウイスキー製造免許のミーティング。もちろん現時点ではシミュレーションにすぎないが、ゆくゆくは蒸留所をつくりたいと思っているのだ。

 もちろん『Whisky World』の入稿が来週に迫っているので、毎日その校正だ。今回は間にアイラ・ジュラツアー、そしてゴールデンウィークの連休が重なっていたため、元のペースにもどすのが、なかなか厄介だ。2ヶ月近く前に取材したものもあり、すっかりその取材意図、そして特集のコンセプトを忘れてしまっている。

 琵琶湖のウイスキークルーズについては、せっかくなのでスコットランド伝統料理も船上で味わえるべく、そのメニューもプロデュースすることに。スコットランドの伝統料理といえば、もちろんハギス、スモークサーモン、スコッチエッグ、カレンスキンク、フィッシュ&チップス、クラナカン・・・。

 そのすべてを出せるかどうかは実際に料理するレストラン側との話し合いを待たなければならないが、できる限り努力したいと思っている。特にハギス、カレンスキンク、クラナカンは私自身、楽しみだ。

 カレンスキンクはウイスキーの故郷スペイサイドのマレー湾に面した古い漁港、カレン(カーレン)の伝統料理で、燻製にしたタラ(フィナン・ハドックという近海タラが主流)とタコネギ、ジャガイモをミルクで煮た、イチ押しのスープだ。ボストン・クラムチャウダーの中身を、スモークしたタラのほぐした身にしたものと言ったほうが、イメージしやすいかもしれない。ほんのりスモークした味が、ミルクとからまって絶品だ!

 カレンスキンクを出すなら、生バンドの演奏では、ぜひロッド・スチュワートの『セーリング』を歌ってもらいたいと思っている。スコットランド出身(両親が)のロッドがアメリカで再デビューする時、最初のアルバムに選んだ曲が、『セーリング』。

 この唄の元曲はスコットランド出身のフォークデュオ、サザーランドブラザーズがマレー湾の北海に面した寒村の漁港で作詞作曲した、海の男達に捧げる鎮魂歌だ。あえてロッドがその曲を選んだのは、自身のルーツと、海を渡ってアメリカでもう一度勝負するという、その決意にぴったりの曲だったからだ。

 『セーリング』が作られた漁村にも行ったことがある。クロービーという村で断崖絶壁の真下、眼の前は足元まで北海の荒波が迫っている。車が入る道路もなく、人は歩いてしか、その村には降りられない。軒下3メートル先は本当に海なのだ。まるで絶壁にへばりつく海鳥の巣のようにも見える。

 思い出すのはアイルランドのアラン島やヘブリディーズ諸島の海の男達の悲しい物語だが、それと同じ生活が、かつて北海に面したマレー湾一体にもあったのだ。そういう意味での海の男達の鎮魂歌である。ウイスキークルーズに、これ以上ふさわしい料理も、歌もないだろうと思うのだが。

 もっとも琵琶湖クルーズだから、そんなことと関係なく、ブラックバスやナマズのフリッター、いやフィッシュ&チップスもありだと思うが・・・。
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