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  05 ,2017

プロフィール

mtsuchiya

現在、作家、ジャーナリスト、エッセイスト、ウイスキー評論家、日本初のウイスキー専門誌『Whisky Galore』(2017年2月創刊)の編集長として活躍中。2001年3月スコッチ文化研究所(現ウイスキー文化研究所)を設立。

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「キリン本社で田中城太さんにインタビュー」
 午前中、恵比寿の仕事場で次号『Whisky World』の原稿書き。スコッチ最前線の原稿で、今回はグレンモーレンジィ、グレンエルギン、アードモアの3蒸留所。それが終わって、再びサントリーのテイスティング。追加のボトルが昨日届いたので、それらのテイスティングに着手。

 昼すぎまでかかってそれらの作業を一段落させ、2時すぎに中野のキリングループ本社へ。ヘルニアになって以来5~6分の距離しか歩けないため、電車を乗り継いで中野まで行くのは久しぶりだ。幸い電車がそれほど混んでいなかったので助かったが、駅の改札など人の多いところは歩くのに難儀だ。

 早めに着いて3時半から18階の応接室で、チーフブレンダーの田中さんにインタビュー。ウイスキーワールドの巻頭インタビューで、3月下旬にリニューアル新登場となった、「富士山麓樽熟原酒50°」について、その開発コンセプト、従来のものとどこが違うのかなどを1時間半ほど伺った。

 やはり、今回のこだわりは『原酒』という文字を入れたことと、ブレンデッドとしては珍しいノンチルフィルターにこだわったこと。もちろん容量も600mlから、ワールドスタンダードの700mlになっている。

 原酒にこだわったのは、もともとキリンの御殿場はモルトもグレーンも、樽詰め度数が低く、そのためボトリングに際してほとんど加水をしなくて済むこと。つまり、樽出し原酒そのものを瓶詰めできるという点だ。

 田中さんによるとモルト原酒は50%で樽詰め、グレーン原酒のライトとミディアムは62~63%だが、今回のキーとなっているヘビータイプのグレーンは55%で樽詰めしているという。しかも、御殿場の熟成環境ではアルコール度数の上下はほとんど見られないという。つまり大半は、水を加えずそのままボトリングできるのだ。だからこその、ノンチルフィルターでもある。

 3月の終わりにウイスキー検定のツアーで御殿場に行き、そこで初めて樽熟原酒50°を飲んだが、改めてインタビューしながら飲んでみると、従来のものより、はるかにリッチで、コンテンツも多いように感じられる。

 新樽を使ったヘビータイプのグレーンが効いているのだろう。スイートかつスパイシーなアロマがあり、しっかりとした樽香が感じられる。加水で少し度数を落とし、時間が経つとミディアムグレーンの、あの巨峰のようなフルーティさが開いてくる。複雑で、飲み応えたっぷりのウイスキーに仕上がっているのだ。

 前回、御殿場ではハイボールで飲んだが、ソーダとウイスキーの比率を変えることで、「富士山5合目ハイボール」「7合目ハイボール」「山頂ハイボール」と、バリエーションを提案しているのも面白い。5合目は1対5、7合目は1対4、山頂は1対3と、登るにしたがって濃くなる。1対3の山頂ハイボールでも、もともと樽熟が50%の度数だから、他のウイスキーのハイボールに比べても、かなり度数は高い。

 富士の樹海の青木ヶ原には学生時代に何度も行ったことがある。溶岩が冷えて固まった風穴があり、そこを探検するためだったが、中は氷の殿堂で氷結ならぬ、まさに氷穴。「樹海ハイボール」をつくるとしたら、それは氷入りのハイボールかと、その時ふと思った。

 結局、5時にキリンを出て、再び電車を乗り継いで仕事場にもどる。再びサントリーのテイスティングが待っているからだ…。

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