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  07 ,2017

プロフィール

mtsuchiya

現在、作家、ジャーナリスト、エッセイスト、ウイスキー評論家、日本初のウイスキー専門誌『Whisky Galore』(2017年2月創刊)の編集長として活躍中。2001年3月スコッチ文化研究所(現ウイスキー文化研究所)を設立。

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「ラフィットのコニャックとアスタモリスのジン…」

 『ウイスキー通信』の入稿作業が佳境を迎えている。1月中旬に始めた時は余裕があると思っていたが、イベントや検定、マスターの試験などが重なり、ギリギリの入稿作業となっている。

 昼前にスコ文研に行き、12時半に元NHKのUさんと事務所近くの中華に昼飯に行く。UさんはNHK・BSの『ヨーロッパ冬物語』(1997年)や、同じくBSの『20世紀最後の五大陸横断列車が行く』(1998年)などで、私を旅人として起用してくれたプロデューサーだ。

 その後、当時のディレクターや作曲家で”太陽に逢う会”という中年オヤジの会を作り、よくワインの飲み会などをやっていた。当時よく飲んだのがボルドーのグランヴァンで、特にUさんはシャトーラフィットの大ファン。そこで買っていたのが、ラフィットのハウスコニャックの「トレ・ヴィエイユ・レゼルブ」。15年前くらいの価格で1本5~6万円だった。そのうちの1本を、「もう飲まないから」と持ってきてくれたのだ。

 せっかくなので、スタッフにも振舞いテイスティングしたが、これがすこぶる美味。ラフィット、つまりフランス・ロスチャイルド家がコニャックのメーカーから自家用に買っていた1900年から1920年代の古いコニャックもブレンドされていて、いわば100年前のコニャックの味が楽しめる。しかも、世界一とも言われるシャトーラフィットのハウスコニャックだ。

 久しくこんな超熟のコニャックは飲んでいなかったが、いわゆるランシオ香がある。30年以上の、ある種のモルトウイスキーにも出るといわれるトロピカルフルーツ香、トリフュのような魅力的な、うっとりするような香りだ。

 元サントリー山崎工場長のOさんと、スコ文研設立当時よくランシオ香の話をしていたが、先日京都のウイスキーパーティーで久しぶりにお会いし、アイリッシュのシングルモルト1988(東京フェスオリジナル)を飲んでもらったら、「やはりランシオ香がある」と、当時を懐かしむような様子だった。

 それはともかくUさんは、そのコニャックだけでなく、もう1つ珍しいものも持ってきてくれた。それは昨年9月に香港で開かれたワインオークションのカタログで、300ページにも及ぶ大部のカタログに、1000アイテム近くが収録されている。これは昨年8月の、同じく香港サザビーズのオークションなどと違って、主催者(オークションハウス)はフランス系の会社だと思われる。

 したがって出品のほとんどはワインだったが、その中に日本の軽井沢、そして羽生のボトルが出ている。どれも「ナンバーワンドリンクス社」が詰めたものだと思うが、サザビーズのオークションで軽井沢の1960のボトルが1本1160万円で落札されたのは記憶に新しいところ。いかに軽井沢や羽生・秩父がアジアのオークションで人気があるのか、このことからもうかがえる気がする。それにしてもキリンが軽井沢を手放したのは、つくづく惜しいという気がするのだが・・・。

 ランチからもどって、こんどは3時からガイアフローのNさん、そしてベルギーのボトラーズ、アスタモリスのバートさんが来社し、次号『ウイスキー通信』のインタビュー。アスタモリスについてはほとんど知らなかったが、話を聞いてみると実に面白い。“東海道五十三次シリーズ”はNさんのアイディアだというが、バートさんのボトリング度数に対するこだわりなどは、聞いていて興味深かった。

 さらに「NOG」、ノー・オディナリー・ジンというジンについても伺い、3種類くらいをテイスティングさせてもらう。ベルギーはベルギービールで有名だが、すぐとなりのオランダはジンの発祥地で、ベルギーにも多くのジン蒸留所があるという。バートさんのところのジンは、そうしたジン蒸留所にバートさんオリジナルレシピのボタニカルを渡し、それで造ってもらうのだとか。

 なるほどジンは自分で蒸留所を持たなくても、ボタニカルを渡して独自のジンを造ってもらうことができるのかと、目からウロコが落ちる思いだった。「これなら、我々でもできる・・・」。インタビュー中に、真剣にそんなことを考えてしまった。

 今はウイスキーだけでなく、ジンもラムも非常に面白いことになっている。改めて、その思いを強くした。一方でコニャックのように、販売に苦戦しているスピリッツもある。今年は再びコニャックの取材を再開しようかと思っているが、コニャックにはコニャック独自のスゴイ世界があるのだ。

 ただそれを語り、広く伝える人物が欠けている・・・。

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