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  04 ,2017

プロフィール

mtsuchiya

現在、作家、ジャーナリスト、エッセイスト、ウイスキー評論家、日本初のウイスキー専門誌『Whisky Galore』(2017年2月創刊)の編集長として活躍中。2001年3月スコッチ文化研究所(現ウイスキー文化研究所)を設立。

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「サングレイン知多蒸溜所の取材」

 次号の『Whisky World』(7月31日発行予定)の巻頭特集は、“ビームサントリーの新たな挑戦”(仮題)ということで、同社が持っている5大ウイスキーのすべての蒸留所を取り上げることにした。そのための取材で愛知県の知多市にあるサングレイン知多蒸溜所へ。

 ただし、新幹線の時間まで、コニサー教本の校正作業。時間がないので、新幹線の車内でも校正をしようと持って行ったが、疲労と睡魔には勝てず(駅弁の深川メシのせい・・・)、1時間ほど爆睡。昨日の今日だったら、モロ例の事件に居合わせてしまっていたが、とりあえず1日たって、新幹線は平常にもどっている。

 テレビでもやっていたが(ワイドショーは毎日欠かさず観ている。根っからの事件記者なので・・・)、ちょうど4月にスペインの高速鉄道に乗ったばかり。マドリッドからセビージャまでの2時間半だったが、そういえば改札のところで、すべての荷物チェックをやっていた。しかし、あれを日本でやるのは到底不可能・・・。

 1時すぎに名古屋に着き、ライターのN君、カメラマンのW君と合流し、2時に知多蒸溜所へ。心配していた雨も小康状態を保っていたので、とりあえず社長のMさんに案内されて、生産設備を見て回る。知多に来るのは7~8年ぶりなので、楽しみにしていたのだ。

 前回なかった30分の1サイズの模型があり、最初にそれで説明を受けたが、これが実にわかりやすい。仕込棟、蒸煮・糖化パイプ、発酵タンク、酒母タンク、そして連続式蒸留機の内部の仕組みまで、模型だと一目瞭然である。

 サングレインは1972年にサントリーと全農(全国農業共同組合)が半々に出資してつくられた施設で、翌73年からグレーンウイスキーの生産を始めている。もともと2セットの巨大なアロスパス式連続蒸留機が設置されているが、現在グレーン用に使っているのは、主にそのうちの4塔(全体は4塔×2セットで8塔の構成)。もろみ塔、抽出塔、精留塔、そして精製塔だ。もろみ塔はステンレス製のシーブトレイ、精留塔は銅製のバブルキャップ。合計90段の棚があるという(もろみ塔は28段)。

 グレーンの原料はトウモロコシと大麦麦芽のみで、小麦などは使っていないという。敷地内には1000トンのサイロが4基あるが、その背後には全農の巨大なサイロがあり(1000トンクラスが50~60基)、いつでも原料を供給してもらえるという立地だ。

 造られるグレーンのタイプはクリーン(ライト)、ミディアム、ヘビーの主に3タイプ。4塔のうち、すべてを使えばクリーンになり、3塔ならばミディアム、2塔ならヘビーになる。見学後、クリーンのニューメイク、その熟成タイプ、ヘビーの熟成タイプ、そしてワイン樽熟成の4種をテイスティングさせてもらったが、同じ原料を使っても、クリーンとヘビーでは同じ蒸溜所のグレーンウイスキーとは思えないくらい、風味が異なっている。

 飲み比べると、知多のクリーンタイプの良さが、よく分かる。もちろんヘビーも面白いのだが、伸びもあって軽やかで、そしてクリーン&マイルド。これを使ってブレンドを造ってみたいと、瞬時にそう思った。なんともブレンダーがうらやましい。そう思わせるグレーンなのだ。

 最後に、この7月に売りに出されるシングルグレーンの知多をテイスティングさせてもらった。これは地域限定、蒸溜所限定とかではなく、定番商品として発売される初めての知多で、もちろん全国展開する。「知多蒸溜所」の文字は、2代目の佐治敬三さんの筆になるものだが、それと似た文字をラベルにあしらっている。定番ブランドとしては白州以来、20数年ぶりになるのだとか。

 結局、4時半すぎに取材を終了し、タクシーと電車で名古屋に出て、5時半すぎの新幹線で、再び東京にもどる。再度、教本の校正をやろうと思ったが、駅弁の名古屋特製弁当を食べたせいで、爆睡。案の定、1ページもできずじまいだった・・・。



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