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  06 ,2017

プロフィール

mtsuchiya

現在、作家、ジャーナリスト、エッセイスト、ウイスキー評論家、日本初のウイスキー専門誌『Whisky Galore』(2017年2月創刊)の編集長として活躍中。2001年3月スコッチ文化研究所(現ウイスキー文化研究所)を設立。

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「通信のテイスティングとヘレスのブランデー」

 午前中一杯かかってウイスキー検定の解答づくり。改めて3級・2級・JW級のそれぞれ100問ずつを解いて、正解を表にしてゆく。それが終わったところでスコ文研に行き、1時から恒例の『ウイスキー通信』、テイスティング座談会。今回は久しぶりに8名全員が揃った。

 アイテムは、①シーバス18年、②アイラミスト8年、マンサマージャフィニッシュ、③グレンフィディック・オリジナル、④モートラック・スペシャルストレングス、⑤ザ・グレンリベット・ナデューラ・オロロソシェリー、⑥ブラックアダー・イチローズ・秩父5年の6種類。

 ①は自由が丘「スペイサイドウェイ」のIさんが、ウイスク・イー(ダンカンテイラー)とコラボした。同店オリジナルのブレンデッドで、シーバスリーガル18年と紛らわしいが、シーバスはシーバスでも、こちらはSea Bass、すなわちスズキのことだ。まあ、しかし・・・。

 ②はアイラミスト8年を5ヶ月間マンサマージャ樽でフィニッシュさせたもの。マンサマージャはサンルーカルでつくられるフィノシェリーのことで、ラヒターナはジプシーの女性がラベルに描かれた有名な銘柄だ。両者に共通することは、潮の香りがすることで、これは日本限定の商品。

 ③は1963年に発売されたグレンフィディックの復刻版。当時はシングルモルト表記ではなく、“ストレートモルト”という表記を用いていたが、それは再現していない。どうせならと思うのだが。

 ④は免税店オンリーのモートラック(OB)で、49%という微妙な度数で、しかも今はやりのNASウイスキーだ。NASとは「ノン・エイジ・スティトメント(熟成年表記ナシ)」の略である。スペインの帰り、パリのシャルルドゴール空港のDF店で買ったものだ。

 ⑤はあのナデューラのオロロソシェリー版。リベットのナデューラというと16年物だったが、これはやはりNAS製品。しかしカスクストレングスのノンチルで、度数は60度近くあり、それでいて1本8400円は、リーズナブルだ。イギリスでは2014年に発売となっていたが、日本でも6月上旬から正式発売が決まった。

 ⑥はブラックアダーのイチローズで、樽はコニャックカスクだという。ロビンの夢だったという、秩父の樽の瓶詰めで、売切れ必至だろう。

 ということで6種のテイスティング座談会を行い、最後にこれもスペイン土産のヘレス産のブランデーをみんなでテイスティング。「エルカノ」というブランドで、造っているのはサンタマリアのグティエレ・コロシア社。もちろんシェリーのボデガで、ヘレスのブランデーはソレラシステムでつくっているという。つまり上段から一番下のソレラの樽へと継ぎ足してゆくわけで、理論的にはそのソレラのシステムが組まれた時(50~60年前)からの古酒が、入っていることになる。

 この「エルカノ」も60数年熟成で、それでいて1本70ユーロと破格の値段である。ちなみにエルカノとは、ヘレス出身の冒険家の名前で、マゼランと一緒に人類史上初の世界一周を成しとげた男とのこと。スペインでは、マゼラン以上にエルカノのほうが有名人。なぜならマゼランはフィリピンで土人に殺され、世界一周はしていないから。キャプテンを失った船を無事スペインまで率いたのが副官だったエルカノで、それ故、スペインでは、人類史上初の世界一周はマゼランではなく、エルカノと教えられているのだという。

 飲むと、いかにもブドウ原料の蒸留酒で、まるでペドロヒメネスのような風味がある。まさか、ペドロヒメネス樽をソレラに利用したのだろうか・・・。まだまだ知らないことが、山のようにある。そんなことを考えさせられたテイスティングでもあった。

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