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  04 ,2017

プロフィール

mtsuchiya

現在、作家、ジャーナリスト、エッセイスト、ウイスキー評論家、日本初のウイスキー専門誌『Whisky Galore』(2017年2月創刊)の編集長として活躍中。2001年3月スコッチ文化研究所(現ウイスキー文化研究所)を設立。

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「山崎シェリーカスク2013が世界一に」
 九州からもどって連日ウイスキー検定の問題作りで根をつめていたせいか、さすがに問題作りのペースが落ちてきた。午前中、それでも作業を継続したが20問を作るのが精一杯。諦めて午後イチでスコ文研。

 たまっていた事務仕事に、「究極のモルトマラソン」の準備をしようと思っていたら、ジム・マーレイの『ウイスキーバイブル2015』で、サントリーの「山崎シェリーカスク2013」が、ワールド・ベストウイスキー・オブ・ザ・イヤーに決定したことが分かり、大騒ぎ!

 日刊スポーツ、スポニチ、朝日新聞、週刊新潮など、次から次へとコメント取材が殺到する。「山崎シェリーカスク2013」は、欧州限定3,000本で出荷されたもので、日本では未発表。私も飲んでいない。

 ジム・マーレイのバイブルは今年で11回目か12回目だと思うが、(2003年が初版)、日本のウイスキーがワールドベストに選ばれるのは、今回が初めて。もともとジムさんは余市びいきで、今までも確か余市に97.5点をつけたことがあったと思うが、それでもその年のナンバーワンに推すことはなかった。

 毎年1位から3位まで発表していたが、昨年はグレンモーレンジのエランタがトップ。もちろん点数は97.5点だ。ところが今年は1位が山崎で、2位から4位までがアメリカン。スコッチは1本も入っていない。

 本国イギリスの新聞などの論調は、「スコッチに警鐘を鳴らした」というものが多かったが、ジムさんがバーボン、ライ、アメリカン好きなのは業界では有名な話。今は1年の大半をケンタッキーの自宅で過ごしているはずだ。

 それにしても、ワールドベストにスコッチが1本も入らなかったというのは珍しい。これは私の見方だが、スコッチの大手メーカーで最近主流になっている“ノンエイジ・ステートメント(NAS)”に対する、ジムさん流のアンチテーゼかもしれない。NASの商品については、アメリカを中心に議論が沸騰しているのだ。

 バーボンのスタンダードは4~6年熟成。だから今まではノンエイジが普通だった。それに対してスコッチは12年熟成がスタンダードだから、スコッチ業界の人は「スコッチに比べてバーボンは若いウイスキーだ」と言ってきた。それがNASを出すことによって、「スコッチもバーボンと変わらないじゃないか」と、反論の機会を与えてしまったのだ。

 その中心にジムさんがいるとは思わないが、今回スコッチを外し、ワールドベストに山崎をもってきたのは、そうしたジムさんのスコッチへの複雑な想いがこめられているのかもしれない。

 もっとも我々、日本のウイスキーファンとしては、今回のことは素直に喜べばいいと思っている。「マッサン効果」で盛り上がっているところに、さらなる朗報である。ますます盛り上がってほしいと願っている。まさかジムさんが「マッサン効果」を知っていたとは思えないが…。

 そんなこんなで、対応に追われまくったが、予定どおり7時から「究極のモルトマラソン」ジャパニーズ編、パート2。今回は江井ヶ嶋のあかし、メルシャンの軽井沢、富士御殿場、イチローズモルト、そして信州マルスの駒ヶ岳2種類の計6本をテイスティング。

 なかでも軽井沢、イチローズ、駒ヶ岳の22年が面白かった。最後の新生マルスはやはり若すぎるし、最初のあかしは、バランスがイマイチだ。いずれにしろ、これでジャパニーズのシングルモルトも終了で、あとはアイリッシュと、そしてスコッチの閉鎖蒸留所シリーズである。

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