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  06 ,2017

プロフィール

mtsuchiya

現在、作家、ジャーナリスト、エッセイスト、ウイスキー評論家、日本初のウイスキー専門誌『Whisky Galore』(2017年2月創刊)の編集長として活躍中。2001年3月スコッチ文化研究所(現ウイスキー文化研究所)を設立。

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「『マッサン』放送前夜に想うこと…」
 昨日は東京墨田区のアサヒビール本社の一室をお借りして「ウイスキー検定対策講座」を午前と午後の2回にわたって行ったが、各種の原稿と校正がつまっていたため、代表世話人のYさんに、講師をお願いした。

 その進行も気になっていたが、朝から「Beer & Pub」や『ナンプレ』の座談会原稿やエッセイ原稿の校正。さらに『世界の名酒事典』の校正、『ウイスキー通信』の竹鶴ノートのところの校正作業に一日中おわれる。9月最後の週末だというのに、仕事が山積みだ。

 今日は午前中恵比寿で仕事をして、午後ひさしぶりに鎌倉に帰る。このところ、じっくり新聞を読むヒマもなかったが朝日の朝刊にスコットランド関連の記事が出ていた。書評欄のところだが、イギリスに造詣の深い有名な大学教授が、スコッチの蒸留所は規模が小さいところが多く、スコットランドが独立していたとしても、「国の財政を豊かにするにはほど遠い」と書いていた。

 冗談じゃない。スコッチはイギリスの5大輸出品目の1つで、その占める割合は15%近くにのぼるはずだ。年間の輸出額は43億ポンドで、日本円にして実に7500~8000億円。これに1割近い国内消費を合わせれば9000億近い巨大産業なのだ。

 昨年、スコットランド自治政府は、スコッチの輸出ボトル1本につき1ポンドの税を独自にかける法案を検討していると発表した。スコッチの瓶詰め出荷本数は約12億本(!)で、もしこれが実現していたら年間12億ポンドがスコットランド自治政府に入ることになる。日本円にして、それだけで2000億円以上になる。スコッチは北海油田以上に、スコットランド経済を左右する重要な産業なのだ。

 今回のスコットランドの独立騒ぎで、多くの日本人が「スコットランドって何?」ということを知ったが、スコッチはイギリスの専門家、スコットランドの専門家(多くは大学教授)でも、知る人はほとんどいないことを改めて実感させられた。まじめにウイスキーを研究しようという大学が、そろそろ出てきてもいいのではないかと思うのだが。

 そのためにもウイスキーコニサー、そしてウイスキー検定は不可欠だと思っている。とりあえず、「マッサン」が始まってどうなるのか…。期待と不安の入り混じった、ちょっぴり複雑な心境である。イギリスやスコットランドの本を100冊以上もお書きになっている大学教授にして、残念ながらウイスキーへの認識はまだまだである。だとすると、お茶の間の一般視聴者にとって、はたしてどこまで今回のドラマは理解されるのか…。

 ウイスキーにとって千載一遇のチャンスであると同時に、真剣に、そして覚悟を決めて取り組まなければいけない半年だと思っている。ウイスキーが「文化」として、認知されるためにも。
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