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  10 ,2017

プロフィール

mtsuchiya

現在、作家、ジャーナリスト、エッセイスト、ウイスキー評論家、日本初のウイスキー専門誌『Whisky Galore』(2017年2月創刊)の編集長として活躍中。2001年3月スコッチ文化研究所(現ウイスキー文化研究所)を設立。

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「ジョニーウォーカー・シグネチャーとは…」
 昨日は沖縄のホテルで原稿の校正をし、午後イチの飛行機で東京にもどる。そのまま恵比寿の仕事場で、再び「ウイスキー検定・公式テキスト」の校正作業。今日の午前中も、その校正作業をつづけ、昼すぎにスコ文研。2日留守にしただけだったが、すでに仕事が山のようにたまっている。ここへきて、セミナーや講演会の依頼も殺到しているのだ。秋には大阪と横浜のNHK文化センターでセミナー、そしてこれはセミナーではないが、8月下旬には台湾に行って、グレンモーレンジのイベントにパネラーとして出席予定だ。

 そんな事務仕事を処理して、3時から小学館のT氏らを交えて検定テキストのミーティング。レイアウト案、デザイン案ができて、テキストの出来あがりが具体的にイメージできるようになった。あとはとにかく、ひらすら執筆・校正・編集作業である。

 ミーティング後、6時前にスコ文研を出てタクシーで英国大使館へ。7時から大使公邸で、ジョニーウォーカーのスペシャルディナーに招待客として参加。「ジョニーウォーカー・シグネチャーブレンド」の日本でのローンチのためのディナーで、招待客は私を含めて4人のみ。それにディアジオの担当者3名と、このためにスコットランドから来日したマスターブレンダーのジム・ビバレッジさんを入れて8名という、小ぢんまりとしたディナーだ。

 シグネチャーブレンドは、ジムさんが顧客のために目の前でブレンドしてくれる、世界に1つしかないプライベートブレンドで、その仕組みを聞いて驚いた。そのために特別に選りすぐった原酒が36種類。そのサンプル持参で世界を回っているというのだ。本来は「ジョニーウォーカーハウス」のためのもので、このハウスの特別サービスだが、日本だけはハウスがなくても、このサービスをやってくれるという。

 「ジョニーウォーカーハウス」については、ニュース等で知っていたが、現在これがあるのは上海と北京とソウルの3ヵ所のみ。特に北京のものは有名で、天安門広場の一角にある、歴史的なビル丸ごと1棟がジョニーウォーカーハウスになっていて、ごく限られた中国のセレブしか出入りできないという。

 プライベートブレンドは、その36種類の原酒からつくられるが、個人のテイストや考えを反映させながら、ジムさんが目の前でレシピを作ってくれる。そのレシピはジムさんがスコットランドに持ち帰り、実際にブレンド、後熟を行い、特別のボトルに詰めて注文主に送り届ける。発注から納品まで9~10ヵ月近くかかるという。もちろん、そのレシピは世界に1つしかない、プライベートレシピだ。

 そんな話を聞きながら、今回来日して作った3つのシグネチャーブレンドをテイスティング。1つは、まるで初夏の風を思わせるようなライトでクリーンなジョニーウォーカー。ジョニーの特徴であるスモーキーさが抑えられ、まるで大使公邸の庭に咲いているアジサイのようなイメージなのだ。

 もう1つはシェリー樽原酒を効かせたリッチでスパイシーなブレンド。こちらはジョニーウォーカーのハウススタイルであるスモーキーさが効いている。そして3番目が雑誌「レオン」の編集長のためのプライベートレシピで、男らしい、マッチョなフレーバーが特徴となっていた。すべてジョニーウォーカーなのだが、飲み比べてみると、こんなにも違うのかと、目からウロコの思いがする。

 3はブレンデッドというより、ヴァッテッドに近いが、1と2はグレーンウイスキーが見事な調和を見せていて、改めてブレンデッドにおけるグレーンの重要性を思いしらされた。ジムさんは、ある意味、グレーン使いの名手かもしれないと思った。いずれにしろ、スゴイことを始めたものである。ジョニーウォーカーが保有する樽は800万樽、ブレンダーの数は12人というが、そのトップに立ってチームを率いるのがジムさんなのだ。

 料理も実に美味しかったが、ウイスキーも、そしてジムさんの話も実に興味深い一夜となった。どうせなら、日本にもジョニーウォーカーハウスを作ってほしいと思うのだが…。
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