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  03 ,2024

プロフィール

mtsuchiya

現在、作家、ジャーナリスト、エッセイスト、ウイスキー評論家、日本初のウイスキー専門誌『Whisky Galore』(2017年2月創刊)の編集長として活躍中。2001年3月スコッチ文化研究所(現ウイスキー文化研究所)を設立。

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「大全の校正と“富士山小種”」
 昨日も午前中は『ブレンデッドウィスキー大全』の校正をして、午後スコ文研。23日の日曜日に、私は行けないが秩父でウイスキー祭りがあるので、その準備等に追われる。

 3時すぎに『おとなの流儀』の取材を受ける。次号でバーボン特集をやりたいということで、バブルの頃のバーボンブームや、今年1月のサントリーのビーム社買収のことなどを話す。

 それが終わって、夕方早めに恵比寿の仕事場にもどり、大全の校正のつづき。とにかく300ページ近い初稿ゲラをすべて見直し、それを校正しないといけない。すべて拡大コピーを取ってもらい、それに赤ペンで校正を入れていくが、それでも眼がツライ…。

 今日も午前中は大全の校正をして、午後イチでスコ文研。次号の『Whisky World』のほうも、そろそろ待ったなしという状況になってきたので、巻頭のスコッチの蒸留所の画像選び。今回はダルモア、グレンモーレンジ、クライヌリッシュ、プルトニー、そしてオーヘントッシャンの5蒸留所だ。すべてを選び終えるのに4時間近くかかり、その後すべてを大阪に送ってしまう。

 仕事の疲れを癒やすために、途中薫製紅茶、「富士山小種(ふじさんすーちょん)」を入れて、スタッフとのむ。これは静岡県の島田市にある「松本園 茶海」というところがつくっている“薫香和紅茶”。

 イギリスのラプサンスーチョン(正山小種)は、福建省の桐木(トンムー)という産地でつくられるスモーキーな紅茶で、茶葉の乾燥には松柏を用いている。対してこちらは茶葉にウイスキーの廃樽(ホワイトオーク)のチップで、薫香をつけている。小種というのは本来、小さい葉の茶樹のことだ。

 もちろんラプサンスーチョンは、モルト好きならだれもが知っているものと思う。かつてマイケル・ジャクソン氏が、アイラモルトのラガブーリンのことを「ラプサンスーチョンのようだ」と評したことがある。当時イギリスのロンドンに住んでいた私は、取材で懇意にしていたストランドのトワイニング店にラプサンスーチョンを買いに行ったものだ。それが、どういうものか知りたかったからである。

 日本にもどってから、縁があって中国福建省の武夷山、桐木、安渓などウーロン茶の産地をめぐったことがある。その時に初めて、ラプサンスーチョンの古里を訪れて、薫香の秘密を知った。それが、今回、日本でもつくられていると知った。

 トワイニングなどの正山小種とちがって、この松本園の「富士山小種」は、スモーキーで正露丸のようなアロマの中に、独特の茶葉の旨みがあり、ていねいにつくられていることが、よく分かる。香味も複雑で、美味しい紅茶である。久しぶりに、茶の取材をしていた頃のことを思い出してしまった。

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