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  07 ,2017

プロフィール

mtsuchiya

現在、作家、ジャーナリスト、エッセイスト、ウイスキー評論家、日本初のウイスキー専門誌『Whisky Galore』(2017年2月創刊)の編集長として活躍中。2001年3月スコッチ文化研究所(現ウイスキー文化研究所)を設立。

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「白州蒸溜所に連続式蒸留機を見に行く」
 午前中、『Whisky World』の原稿。11時前に恵比寿を出て、12時のスーパーあずさで、中央本線の小淵沢駅へ。連日、山梨県の甲府では38℃を超えているが、はたして白州はどうなのだろうか。2時前に小淵沢に着き、駅前からタクシーで白州蒸溜所。5月に本格稼働したコフィー式の連続式蒸留機を見るためだ。

 さっそく工場長のMさん、広報のTさん、Yさんらの出迎えを受け、工場見学。甲府ほどではないが、白州も34℃だという。東京に比べれば湿度が低く、風が吹けば心地よいが、それにしても強烈な日差しである。森の樹々の緑とヤマユリの白い花が美しい。

 まずは穀物のインテイクからハンマーミル、クッカー、糖化槽であるスラリータンク。クッカーやハンマーミルは、かつて焼酎製造用に使っていたものだという。ほとんど知られていないが、白州では以前、焼酎も造っていたのだ。

 その後発酵槽、そして待望の連続式蒸留機。発酵槽はステンレス製で計6基。モルトの木桶発酵槽に比べれば、はるかに小さい。連続式蒸留機はフォーサイス製(正確にはフォードヴェイル、子会社?)で、外はステンレスだが、内部のシーブトレイ(棚)は、銅製だという。小さな箱型のスチルで、粗留塔に18段、精留塔に40段の棚が入っている。それでも高さは約15メートルあるという。

 それにしても5月に訪れたキャメロンブリッジといい、今回の白州といい、円筒型のスチルではなく、直方体であるのは、それのほうが作りやすいといった理由があるのだろうか。もちろんキャメロンブリッジのスチルはフォーサイスではなく、アバークロンビー製だが(のはずである…)。

 その後、いつものようにモルトの発酵槽、スチルハウスも見て、それから試飲。試飲は知多のグレーン、白州のグレーン、そしてライ麦レシピのグレーン、モルト100%のグレーン(?)の4種類が用意されていた。どれも20%に加水されたサンプルだ。知多のグレーンと白州の通常のグレーンは、穀物レシピなどはほぼ同じ。どちらも94%で蒸留されている(知多にはクリーン、ミディアム、ヘビーの3タイプがあるが、試飲は一番ライトなクリーンタイプ。4塔のコラムスチルを使って蒸留)。しかし、そのアロマはかなり違うという印象を持った。知多と比べて、白州のほうが、はるかに香り立ちがよい。生産能力は知多の10分の1サイズだというが、その小ささも影響しているのだろうか。

 3番目の白州グレーンは、トウモロコシ、大麦麦芽以外にライ麦を20%ほど加えている。ライ由来のドライでスパイシーなアロマがあり、まるでバーボンのニューメイクのようだ。蒸留も60%台でやっているという。このままアメリカンホワイトオークの、内側を強く焦がした樽に詰めたら、ジャパニーズバーボン(?)だ。

 4番目は、ちょうど仕込みの最中だった麦芽100%のグレーンウイスキー…というより、これだとモルトウイスキーになるかもしれない。ニッカでいうところの“カフェモルト”である。これもアロマが前3者とまったく違って、大麦麦芽由来の芳しい穀物様の甘みがある。4つの中では一番フルーティーで、熟成させたら、いいウイスキーになるのではと思う。それにしても、こうも香味の違いがでるとは、さすがサントリーである。かなり実験的な要素も含んでいるが、これからが非常に楽しみだ。

 その後、こんどは『ウイスキー通信』用のインタビュー。これは前号から再開させた“編集長インタビュー”のコーナーで、工場長のMさんに、これまでのキャリアや、白州の工場長としての仕事などについて、約1時間ほどお聞きした。これは8月25日発行の通信16号でのお楽しみである。

 5時前に白州を出て、小淵沢発5時41分のスーパーあずさで、8時前に新宿着。白州も暑かったが、列車を降りたとたん、大都会・新宿のうだるような暑さが一気に襲ってきた…。

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