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  06 ,2017

プロフィール

mtsuchiya

現在、作家、ジャーナリスト、エッセイスト、ウイスキー評論家、日本初のウイスキー専門誌『Whisky Galore』(2017年2月創刊)の編集長として活躍中。2001年3月スコッチ文化研究所(現ウイスキー文化研究所)を設立。

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「ウェールズとスコットランド…」
 ペンデーリンの後、ヘイ・オン・ワイ、ブルス・ウェルズ、バラ湖、スランゴスレン経由で火曜日に北ウェールズのコンウェイに入り、水曜日はカーナボン、アングルシー、コンウェイ城壁ウォークをこなし、木曜の朝、マンチェスター空港からロンドンのヒースローへ。1時45分発のヴァージン航空900便で今朝9時半に成田にもどってきた。

 結局、今回のツアーの走行距離は1000マイル近く…。特に2日目のカーディフからカーディガン、そして4日目の南ウェールズから北ウェールズまでの南北縦断がきつかった。ウェールズはどこまで行っても起伏に富む緑の田園地帯が広がっているが、それゆえに真っすぐに伸びる幹線道路というものがないのだ。道は左右に曲がりくねり、しかもアップダウンもあって、大型バスだと思っている以上に時間がかかってしまう…。5月のスコットランドから、バスに乗りつめという感じだ。

 成田に着いて、そのままバスで品川へ。そこからタクシーで一度恵比寿にもどり、昼すぎにスコ文研。約一週間ぶりのオフィスだ。ウェールズにいた一週間は寒いくらい(朝晩は7~8℃)だったので、日本のいきなりの暑さと湿気に面喰らう。これから、しばらくは暑さと湿気、それと時差ボケと闘うことになる。

 とりあえずは、山のようにたまった仕事を順番に片づけることに。留守の間に『ウイスキー通信』15号が刷り上がり、その発送も終了している。5月末に行われた「ウイスキープロフェッショナル」の結果通知も終わっているし、6月30日(日)の第6回シングルモルト検定の問題も、すべて準備が整っている。大阪フェスやバーボンフェス、長和のフェスの進行だけが気がかりだが、それは来週の仕事だ。

 事務仕事が一段落したところで、大阪フェスのセミナーで使うカバランの2種類のボトルを撮影。さらに大阪フェス記念のクライヌリッシュ1996の写真も撮ってしまう。睡眠不足でアタマはモーロウとしていて原稿は書けないので、こういう時は写真の撮影に限る。今回もウェールズで400枚近い写真を撮っているが、久しぶりにウイスキー関連ではない写真が撮れて、それはそれで楽しかった。できることなら、のんびりと撮影旅行などと洒落てみたいが、そんな時間はないのが現状だ。

 今回の旅では、スウェリン・アプ・グリフィズの記念碑を再訪できた。スウェリンは1282年に殺された、ウェールズ最後の大公(王様)だ。ブルス・ウェルズという街の近くのキンメリという村で、イングランド軍により殺害された。今はそこに大公最後の地であることを示す記念碑が建てられている。

 スウェリンの死によってウェールズという国は事実上消滅した(1283年)。もちろん滅ぼしたのはイングランド王のエドワード一世である。ウェールズ大公、プリンス・オブ・ウェールズという称号はそれ以来、イングランド王家の後継ぎに与えられる称号となったのだ。ウェールズ人にとっては、屈辱以外のなにものでもない…。

 実はスコットランドも、ウェールズと同じ運命をたどるところだった。スコットランド独立の英雄ウィリアム・ウォレスが殺されたのが1286年で、王家の象徴である「運命の石」が戦利品としてロンドンに持ち去られたのが、1296年のことだった。当時エドワード一世はウェールズ平定に忙しく、スコットランドにそう度々遠征することができなかったことが、幸いしたのかもしれない。スコットランドに反撃の時間を与え、実際1314年のバノックバーンの戦いで、スコットランド軍はイングランド軍に勝利し、独立を獲得した。

 当時ウェールズの反逆がどれほど凄まじかったかは、1283年から1301年にかけ、矢継ぎ早に北ウェールズ一帯に8つの城塞を築かせたことからも伺い知ることができる。“アイアンリング”、鉄の輪と呼ばれる城で、そのうちの4つは現在どれも世界遺産に認定されているのだ。それがコンウェイ、カーナボン、ボーマリス、ハーレフの4つの城で、今回の旅ではそのうちのコンウェイとカーナボンの2つを訪れることができた。

 25年前に訪れた時はエドワード一世とウェールズ、スコットランドの関係も知らなかったが、今回、スウェリンの死も2つのお城も、スコットランドの歴史とからみ、それはそれで新しい発見の旅だったかもしれない。

 いつか、ウェールズの本も書きたいと思っている。それはカーディガンで町会議員を務めるSさんとの約束でもあるのだ…。
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