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  06 ,2017

プロフィール

mtsuchiya

現在、作家、ジャーナリスト、エッセイスト、ウイスキー評論家、日本初のウイスキー専門誌『Whisky Galore』(2017年2月創刊)の編集長として活躍中。2001年3月スコッチ文化研究所(現ウイスキー文化研究所)を設立。

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「KINKOと本坊酒造の郷中蔵」
 さすがに飲みすぎと寝不足でツライが、朝7時に起き、10時すぎにロビーで久留米支部のOさん、「KINKO」のHさんと待ち合わせて、Hさんの車で「KINKO」へ。郊外の工業団地の一角に、倉庫兼事務所があり、貴重なウイスキーの数々を見せてもらった。

 キンコーといえば、今年出たオリジナルのベンリアック1976があまりにも有名だが、数多くのオールドヴィンテージ、オールドボトルも扱っていて、それらも見せてもらった。もちろんウイスキーだけでなく、もともと焼酎、ワインだということで、ロマネコンティやラトゥール、マルゴー、ムートン、オーブリオンなど、グランヴァンも揃っていて、その棚を見ているだけでも圧巻だ。

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 軽~く、1時間ほどの予定だったが、結局2時間近くいて、その後昼食は天麩羅で有名な「左膳」に。昨日の今日なので、牡蠣天そばを食べて、帰るまえにどうしてもということで、錦江湾ぞいにある“ぢゃんぼ餅”をつくる和菓子屋へ。鹿児島名物、ぢゃんぼ餅は、両棒餅(りゃんぼうもち)がなまったものだそうで、素朴だが、美味。それを車中で頬張りながら、天文館でOさんをおろし、そのまま本坊酒造へ。

 2時に本坊について、常務のTさん、営業のOさんの出迎えをうけ、さっそく本社内にある郷中蔵を見せてもらうことにした。途中レセプションを通ったが、本坊が80年代まで鹿児島で造っていたマルスウイスキーの蒸留器、小さなポットスチルが展示されている。どこ製か分からないということだったが、兵庫県の明石の古いポットスチルにちょっと似ている。もちろん、エドラダワーなんて比じゃないほど小さい…。
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 その横に焼酎用のワーム管も展示されていたが、これは本坊独自の錫製の蛇管である。もはや錫をこのように加工・溶接できる職人は、一人しかいないという。
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 郷中蔵は、伝統的な芋焼酎づくりを復活させたもので、非常に小さな規模だが、ここで独自に麹をつくり、芋を仕込み、そしてステンレス製の常圧、単式蒸留器で1回蒸留して芋焼酎を造っている。中を見せてもらったが、底近くに蒸気を炊きこむパイプが十字にとりつけられている。4本の先端は斜め下向きにノズルが出ていて、そこからドロドロの芋のモロミに蒸気が吹きこまれるのだ。いわば蒸気直噴式…。モルトウイスキーの蒸気間接加熱とは、まったくその仕組みを異にしているのだ。これが分からないと、焼酎は分からない。
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 張込み量は1100ℓで、初垂れ(ハナタレ)をカットしたあとは、アルコール分10%になるまで蒸留を続ける。これが中垂れで、ウイスキーでいえば中留液となる。モルトウイスキーは2回蒸留で、ヘッドとフェインツはフェインツレシーバーに貯め、次回の再留に回すが、芋焼酎の後垂れ(フェインツ)は、そのまま廃棄するという。
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 ちなみにモルトウイスキーは、麦芽1トン当たりのアルコール収量は約400から410ℓだが、芋焼酎の場合200ℓくらいだという。その蒸留したての度数37%のを飲ませてもらったが、蒸留したばかりのせいか、ふわっとフェインツ香(ガス香)がかおり、口に含むと、少々芳ばしい焦げ臭のようなものも感じる。しかし、とてもクリーンでフルーティ、すっきりしていて飲みやすいのだ。

 ということで結局4時近くまでいて、その後4~5種類のテイスティングも行い、車で4時半すぎにホテルまで送っていただいた。温泉にでも行き、のんびりしようと思ったが、結局一日中取材…。つくづく貧乏性だと思ってしまう。

 夜は鹿児島支部のMさん、Uさんと3人で食事。軽くのつもりだったが、結局、黒じょかで焼酎のお湯割りをしこたま飲んでしまった…。
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