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  08 ,2017

プロフィール

mtsuchiya

現在、作家、ジャーナリスト、エッセイスト、ウイスキー評論家、日本初のウイスキー専門誌『Whisky Galore』(2017年2月創刊)の編集長として活躍中。2001年3月スコッチ文化研究所(現ウイスキー文化研究所)を設立。

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「佐渡の従兄が書いた北一輝の本…」
 午後イチでスコ文研に行き、シングルモルト検定の問題と解答用紙作り。いよいよ試験は日曜日に迫ってきた。今回チャレンジするのは100名弱だが、遠く北海道や金沢、福岡からも受験生がやってくる。

 世界中でいまウイスキーがブームとなっているが、検定や資格認定をやっているのは日本だけである。いずれアジアや世界中から受けに来るようになればと、願っている。

 このところアマゾンでウイスキー関係の洋書以外にも、いろいろな本を注文しているが、郷里の従兄が書いた本が出版されたので、それも購入。その本が手元に届いた。『北一輝のための終わりなき戯曲』(文芸社文庫)というタイトルで、佐渡が生んだ特異な思想家、北一輝の生涯を戯曲というかたちで描いている。実はこれは三部作の第一部で、このあと『カオス・帝都物語』、完結編『魂の国へ』と続くという。

 従兄の名前は伊藤正福(マサトミ)。伊藤は母の旧姓で、母方の従兄にあたる。北一輝の生家は私たちが通っていた両津小学校のすぐそばで、今は跡地に碑が建てられている。「2.26事件」を起こした青年将校たちが、その拠り所とした思想家で、そのことで連座し刑死している。

 もちろん、小・中学生時代にはその生涯を知る由もなかったが、高校3年の日本史の授業で、最後に北一輝と佐渡人の“特質”について特別講義があった。3年の3学期、1月から2月にかけて佐渡史と佐渡人について学んでほしいというのが、当時佐渡高校で教鞭をとられていた田中先生(のちに筑波大学の救援に転身)の想いだった。

 田中先生の日本史の授業は、今思いかえしてみても最高の授業だった。その後、大学やいろいろなところで学んだが、残念ながら田中先生以上の講義に出会ったことがない。その最後の特別授業が北一輝と佐渡人についてであった。大学受験で島外に旅立とうとする多感な若者にとって、これ以上刺激的な話はなく、その後の人生に少なからず影響を与えているものと思う…。

 その授業の中で私が一番印象に残っているのは、「佐渡人(北一輝)は超国家主義者であり、易々と日本という枠を超える」という指摘だった。視線は日本国の中心である東京に向いているのではなく、日本海を超えた大陸にいつも向いている。つまり若者流に解釈するならば、狭いニッポンを飛び出して世界を見てくる、ということだったのかもしれない。

 佐渡は島国であるが故に、大陸に対する憧れが人一倍強い。その後の私のニッポン放浪、アジア放浪の原点だった気がする。その北一輝の生涯を追った戯曲…。ぜひ、第二部、第三部も出版してもらいたいと切に願う。それにしても、カバーで使われている北一輝の写真が実にいい。人間・北がどう描かれているのか、今から読むのが楽しみだ。

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