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  08 ,2020

プロフィール

mtsuchiya

現在、作家、ジャーナリスト、エッセイスト、ウイスキー評論家、日本初のウイスキー専門誌『Whisky Galore』(2017年2月創刊)の編集長として活躍中。2001年3月スコッチ文化研究所(現ウイスキー文化研究所)を設立。

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「TWSCにおけるジャパニーズの定義について」
 ガロアの入稿は18日の木曜に無事済んだが、TWSCの公式ガイドブックの製作が本格化していて、19日の金曜日にそのミーティングを行う。まずは結果発表をした洋酒部門から。

 今年は審査会ができなかったため、使える画像が昨年と比べてほとんどない。そこで巻頭は私の総評と、第2回の今回から設定したジャパニーズウイスキーの定義と、その種類についても言及することにした。

 TWSCは今回、ジャパニーズウイスキーを、①ジャパニーズウイスキー、②ジャパニーズ・ニューメイクウイスキー、③ジャパンメイドウイスキーの3つに分けることにした。詳細はTWSCのホームページを見てほしいが、①のジャパニーズウイスキーが、EUやスコッチ、アイリッシュ等に倣った定義で、日本で穀物を原料に糖化・発酵・蒸留を行い、日本で木製容器に詰めて2年以上熟成させたウイスキーのことを言う。

 もちろん、ウイスキーである以上、穀物以外の原料(例えばモラセス…)を使ったものはダメで、糖化から熟成までは日本で行わないといけない。いわば地理的呼称で、ラベルには「ジャパニーズウイスキー」「日本ウイスキー」と表記することができる。

 2年以上としたのは、EUやスコッチ、アイリッシュ、カナディアンと違って日本は気候的に温暖で、2年で十分熟成が進むと考えたからだ(台湾も2年である)。なにもスコッチ、アイリッシュ(3年以上)に倣う必要はない。今、日本は〝クラフト元年″と言われるほど、新しい蒸留所の誕生が相次いでいる。そんな小規模蒸留所を参入しやすくするためにも、2年が良いのではないかと思ったからだ。

 ②のジャパニーズ・ニューメイクウイスキーというのは、したがって①の2年未満のものである。今回のTWSCでも、これを理解し、このカテゴリーで出品するものが10いくつあった。海外のコンペでは考えられないことだし、TWSCが日本で開催されることの、1つの大きなメリットだと考えている。

 ③のジャパンメイドウイスキーというのもTWSC独自のもので、①②の要件を満たしたジャパニーズの原酒と、海外から輸入したウイスキー原酒をブレンドしたものだ。つまり、一滴でもジャパニーズが入っていれば、ジャパンメイドウイスキーと呼称できる。しかし海外の原酒のみをブレンドしたものや、たとえ日本で造られていても、モラセス原料のスピリッツを混和したものは、このジャパンメイドウイスキーとはならない。外国産ウイスキーのみをブレンドしたものは、それはワールドウイスキーだし、スピリッツを添加したら、それは海外(EUやイギリス、アメリカ等)でウイスキーと呼称できなくなってしまう。

 私たちのこの定義と分類はあくまでもTWSCの〝私案″にすぎない。しかし、これを曖昧にしたままでTWSCを開くことはできないし、長年ウイスキーに携わってきた者にとっては、当然だと思っている。

 もちろん、これに類するジャパニーズの定義が決められるべきだし、業界の内規でもいいから、決めてほしかったというのが、コロナ禍中における私の本音だ。本来、ジャパニーズに、こんな定義があれば、TWSCとしては何ら苦労はしなかった…。

 日本ワインと同じように、最終的には国税庁長官の告示・内示ということになるのだろうが、「Go Toキャンペーン」「日本産酒の海外輸出推奨」というのなら、このジャパニーズウイスキーの定義なくしては、ありえないことだと思っている。造り手でもない、私たち民間の愛好家団体が、本来やるべきことではないと思うのだが…。

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