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  08 ,2020

プロフィール

mtsuchiya

現在、作家、ジャーナリスト、エッセイスト、ウイスキー評論家、日本初のウイスキー専門誌『Whisky Galore』(2017年2月創刊)の編集長として活躍中。2001年3月スコッチ文化研究所(現ウイスキー文化研究所)を設立。

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「ジャパニーズフェス中止に思うこと」
 7月5日に延期していたジャパニーズウイスキーフェスを中止するという苦渋の決断をした。この1ヵ月近く、あらゆる可能性を考えてきたが、この新型コロナの感染状況を見ると、とても1,000人規模のイベントを開くことはできない。せめてセミナーだけでもオンラインで、とも考えてみたが、ウイ文研自体が週1日勤務となり、マンパワーが決定的に足りない現状では、それも不可能だ。

 4月12日から7月5日への延期、それに伴うチケットの払い戻し、フェスオリジナルボトルの頒布等々、段階的に手を打ってきたが、今は参加予定のウイスキーファン、そして出展者、さらに延期決定後もスケジュールを再度調整してくれたセミナー講師の皆様に、心よりお詫びを申し上げたいと思う。今後、チケットの払い戻しについては、全額返金を考えている。

 それに合わせて、フェスオリジナルのエコボトル(ロゴ入り)、ネックストラップ(ロゴ入りのグラスホルダー)については、広くオンラインショップで販売することにした。1月のコロナ発生まで、今年のキーワードは脱プラスチック、レジ袋をなくそうだった。そのためのエコボトル、トートバッグの拡充だったが、コロナによって一変した。今はスーパーもコンビニも、エコバッグの持ち込み禁止である。ウイルスが不着している可能性がある物を、外から持ち込まないためだ。コロナによって、今までの価値観が一変している。

 チケットの払い戻しについては寄付金控除も使えることになっている。苦渋の決断だが、これもアナウンスさせてもらった。我々民間はどこもそうだと思うが、イベント会場のキャンセル代や、チケットの払い戻しで1000万円近い負担が生じている。国民の誰もが感じていることだと思うが、ニッポン国はまったくアテにならない。政治家も官僚も口先ばかりで、何ひとつ具体化できていない。策が講じられて補助金、給付金が支給される頃には、どこの会社も存在していないかもしれないということが分からないのだ…。

 ま、腹を立ててもしょうがないので、あらゆる生き残り策を日々考えている。ということで(?)、寄付金申請をしていただける方には、急遽、100mlのミニボトルをプレゼントさせてもらうことにした。TWSC用に用意していた「天ノ原」「春日」「三笠」の3種のミニボトルで、これは奈良時代、遣唐使の留学生として長安に渡った阿倍仲麻呂が詠んだ、『天ノ原、振りさけ見れば春日なる、三笠の山にいでし月かも』からとったものだ。

 仲麻呂は留学生として長安で学び、やがて世界最難関といわれる科挙の試験を受けて見事合格。玄宗皇帝の役人として登用され、なんと今でいう局長の地位まで昇りつめた人物だ。在唐35年、その仲麻呂が望郷の念にかられ、日本にもどろうとして遣唐使船に乗り込む直前、現在の上海付近の浜で詠んだのが先の句だ。百人一首にも収録されているので、知っている方も多いはず。もちろん、春日も三笠山も仲麻呂の出身地である奈良盆地の名所。折しも満月の夜に、故郷・奈良を思って詠んだものだ。しかし、この遣唐使船は難破し、仲麻呂は日本にもどることは叶わなかった。

 それをラベルにあしらったもので、幻のTWSC、そして幻のジャパニーズフェスである…。本来、このジャパニーズフェスは、日本のクラフト蒸留所から相次いで、正真正銘の3年物のシングルモルトが出揃う、そのタイミングをとらえて企画されたものだった。そして、もう1つがジャパニーズウイスキーの定義問題に、なんらかの結論が出ているだろうという期待を込めたものだった。

 コロナ騒ぎで、すっかりそのことを失念していたが、国がまったくアテにならないということが、今回のことで改めて、イヤというほどわかったので、我々は一民間団体として、JWAの設立、ジャパニーズの定義について、動くつもりでいる。大阪フェス、ジャパニーズフェスが中止になった今だからこそ、強くそう思っている。メイド・イン・ジャパンの信頼性を、せめてウイスキーだけでも取りもどしたいと思っているからだ。

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* ウイスキー文化研究所公式HP
* ウイスキー文化研究所公式twitter

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