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  10 ,2019

プロフィール

mtsuchiya

現在、作家、ジャーナリスト、エッセイスト、ウイスキー評論家、日本初のウイスキー専門誌『Whisky Galore』(2017年2月創刊)の編集長として活躍中。2001年3月スコッチ文化研究所(現ウイスキー文化研究所)を設立。

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「東京フェスの記念ボトル2種のラベル…」
 このところ北海道フェス、長和フェスの100mlおみやげボトルのラベルを作ってきたが、東京フェス・オリジナル記念ボトルの2つのボトルのラベルも、私の“天空のチベット”シリーズでいくことにした。

 1つはスコッチのグレントファースで、1992年蒸留の21年物。トファースはジェームズ・ブキャナンが1897年に創業した蒸留所で、長くDCL傘下の蒸留所としてブラック&ホワイトや、かの有名なロイヤル・ハウスホールドの原酒を造ってきた。1985年にDCLがモスボールとしたが、その後アライドドメック社が買収し、1992年8月から生産を再開した。

 このボトルは再開直後の1992年9月に蒸留した原酒で、いわばロイヤル・ハウスホールドの原酒となるべきものだったのだろう。その後蒸留所は2005年にペルノリカールによって買収され、現在はバランタインなどの原酒となっている。ちなみに現在のロイヤル・ハウスホールドは、ディアジオ社系列で、ダルウィニーがキーモルトとなっている。

 そのグレントファースの21年物のボトルにふさわしい(?)ということで、1981年冬、私がザンスカール(西チベット)の村々を回った時に撮影した子供の写真を選んだ。なんとなく“ライフシリーズ”に似ているとの声もあったが、それを意識したわけではない(と、思う…)。あくまでもウイ文研の“天空のチベット”シリーズである。

 もう1本は、フェスのチラシでは、“シークレットボトル”となっていたが、マルス信州蒸溜所の駒ヶ岳で、こちらは2012年6月蒸留の7年物。フェノール値50ppmのヘビリーピート麦芽を使った、シングルカスクのカスクストレングスで、TWSC2019で、最高金賞をとった駒ヶ岳6年と同じスペックの、樽違いである。

 非常にスモーキーで、パワフル。しかしスイートで7年熟成とは思えない複雑さがあり、珠玉のモルトとなっている。マルス信州は前年の2011年に19年ぶりに再操業を果たした蒸留所で、その2年目。バランス的にも安定しており、このモルトを飲むと、竹鶴政孝のDNAを感じる。なぜならばスチルの設計にあたったのは岩井喜一郎で、岩井が参考にしたのが、部下の竹鶴が書いた例の『竹鶴ノート』だったからだ。まさに100年の時を経て、蘇った竹鶴のDNAのようなウイスキーなのだ。

 その駒ヶ岳2012年のために選んだのが、同じく天空のシリーズの写真で、1975年に私がラダックの中心地、レーのシャンカル寺院で撮影した千手千眼千足観音である。チベット密教の秘宝ともいえる仏像で、手も眼(第3の眼)も足も千あるのは、あまねく衆生の苦しみを見つけ、それを救済し、邪悪なものを踏みつけるためである。

 日本の山は、もともと北アルプスも南アルプスも、そしてマルス信州がある中央アルプスも、山岳信仰の対象で、密教修験者の祈りの対象、修業の場でもあった。同じ密教ということでチベット仏教の観音像を選んだのだ。

 1975年から76年にかけて、私たち学習院大学探検部ラダック・ザンスカール遠征隊は、ラダック・ザンスカール地方のゴンパ(寺院)を回り、そこで民俗調査だけでなく、仏像、壁画調査もしていたのだ…。

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