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  11 ,2018

プロフィール

mtsuchiya

現在、作家、ジャーナリスト、エッセイスト、ウイスキー評論家、日本初のウイスキー専門誌『Whisky Galore』(2017年2月創刊)の編集長として活躍中。2001年3月スコッチ文化研究所(現ウイスキー文化研究所)を設立。

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「インディアンウイスキー、ポールジョンのセミナー」
 水戸で3つのセミナーをこなし、体はボロボロに疲れていたが、昨日も朝イチから原稿を書き、昼前にウイ文研。たまった事務仕事をこなし、1時にはタクシーで品川のプリンスホテルへ向かう。

 2時からバーテンダーやプレスを対象とした国分のインディアンウイスキー発表会に、講師として出席するためだ。これはインディアンウイスキーの「ポールジョン」の販売を国分が12月から開始するもので、そのためにインドから、ワールドセールス担当のマデュー・カンナ氏が来日し、東京と大阪でセミナーを開くことになったのだ。

 ポールジョンについてはマデューさんがプレゼンを行うことになっていたので、私はその前にインディアンウイスキーの現在のポジショニング、どれほどインディアンウイスキーが売れているのかということと、インドのウイスキーのレギュレーションについて簡単に述べることにした。

 インドのウイスキーについては3つのカテゴリーがあるが、それについては詳述は省く。次々号(No.7)の『ウイスキーガロア』で、そのことについては触れるつもりだからだ。その中で、今回の「ポールジョン」は、インディアン・シングルモルト・ウイスキーに分類される。条件は大麦麦芽を使うことと、ポットスチルで蒸留することの2点だ。熟成に関しては1年以上と定められている。

 造りはスコッチにならい、いたって本格的だが、随所にインドらしさ、ポールジョンのこだわりがあり、これが実に興味深かった。

 まず第1にスコッチやアイリッシュ、ジャパニーズで一般的な二条大麦でなく、インド産の六条大麦100%にこだわっていること。インドのヒマラヤ山脈南麓、ウッタルプラディッシュやヒマチャルプラディッシュは六条大麦の一大産地だ。私自身はそのさらに北にあるジャム・カシミール州のヒマラヤ山中に1年近く暮らしていたが、主要穀物は六条大麦だった。

 第2に製麦はデリー近くの製麦会社に依頼しているが、ピーテッド麦芽については、わざわざスコットランドからピートを輸入し、それを焚いているのだという。それもアイラのピートとアバディーン州の2つの異なるピートだ。

アイラのピートはもちろん薬品臭、ヨード臭のもとともなっているが、アバディーン州のピート(おそらくポートゴードン製麦所が使っているのと同じピート)は、内陸部から掘っているため、割とソフトで、ヘザリーなアロマとなる。東ハイランド、アバディーンシャーにあるアードモア蒸留所が使っているピートと同じだろう。

 この2つのピートの使い分けが別々の個性を生む。そして蒸留所が所在する南インド、ゴアの気候風土が3番目の要素だ。ゴアはアラビア海に面した海岸リゾート地で、長い間ポルトガルの植民地だった。緯度は北緯15度と台湾のカバラン蒸留所(北緯25度)より、さらに南、年平均気温30℃という熱帯だ。エンジェルズシェアは8~10%と、こちらは台湾より低め。

 ポールジョンには地上のウエアハウスと地下のウエアハウスの2つがあり、どちらも現在5,000樽ほどが貯蔵されているという。エンジェルズシェアが比較的少ないのは、そのためだろうか。

 いずれにしろ5種類のテイスティングを行ったが、これがどれも非常に美味で興味深い。それはともかく、昨日はそのまま事務所にもどり仕事。今日は朝イチの新幹線で大阪に行き、ウェスティンホテルで再び2時半からポールジョンのセミナーを行う。昨日180名、今日が100名ほどの参加者だったが、皆、驚いたのではないかと思う。インディアンウイスキーのレベルが、これほどまでとは誰も思わなかったはずだからだ…。

 26日のフェスには国分のブースでポールジョンも出るようなので、興味のある人はぜひチェックしてみてほしい。


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