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  01 ,2022

プロフィール

mtsuchiya

現在、作家、ジャーナリスト、エッセイスト、ウイスキー評論家、日本初のウイスキー専門誌『Whisky Galore』(2017年2月創刊)の編集長として活躍中。2001年3月スコッチ文化研究所(現ウイスキー文化研究所)を設立。

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「久しぶりの御殿場取材」
 水曜日に仙台・宮城峡から帰ったばかりだったが、昨日の金曜も朝イチで恵比寿を出て、カメラマンのFさんが運転するレンタカーで富士御殿場蒸溜所へ。次号ガロアの取材で、御殿場に行くのは、実に3年半ぶりくらいだ。

 すでに昨年、ポットスチル4基と木製発酵槽4基が新しく導入されたことはニュースなどで知ってはいたが、その詳細については知る由もなかった。今回どうしても見ておきたかったので、無理をいって案内してもらった。コロナがなければ今年早々にも一般公開予定だったとかで、準備もすべて整っているが、このオミクロンである。公開はもう少し先になってしまった。

 御殿場はモルトとグレーンを造る複合蒸留所であることは、誰もが知っているが、今回その両方についてかなり詳しく聞くことができた。詳細はガロアだが、何といっても目を惹くのが新しい木製ウォッシュバックと、小型の4基のスチルだ。今まで御殿場にはステンレスの発酵槽がモルト用、グレーン用にそれぞれ6基、12基あったが、新しくダグラスファー製(カナダの材)の4基の小さなウォッシュバックが加わった。容量は約8000ℓで、これはすべてモルト用。ワンバッチの麦汁を4等分して張り込んでいる。

 それにも増して目を惹くのが、新しいスチルたちだ。従来あったスチルは、シーバスのストラスアイラのスタイルを継承していたが(作ったのは三宅製作所)、4基のうち2基だけを残し、新しく4基を導入した。これも三宅製で、実はどれ1つとして同じ物がない。初留サイドにある2基は、初留にも再留にも使える両用スチルで、微妙にそれぞれ形を変えている。再留サイドにある2基は、さらに形状が違うが、1基は初留のみ、もう1基は再留のみを行う。つまり、この4基の組み合わせは複数あり、御殿場ではこれだけで9通りの蒸留を行っているのだとか。説明を聞いても、頭の中を整理しないと、なかなか追いつけない。それにグレーン、従来のスチルの説明が加わるのだ…。

 結局、2時間半ほど案内してもらい、最後は高層ラックウェアハウスで、2種の樽出しをテイスティングさせてもらった。本当はその後、田中城太さんとのインタビューも予定していたが、コロナのこともあり、それは次々号に延期。今回は蒸留所だけだったが、わざわざ田中さんも駆けつけてくれていた。直接、田中さんから話を聞け、さらに試飲もできたことは、非常に貴重な機会だった。

 ついでに冬晴れの富士山も撮影したかったが、冬だというのに、この日はあいにくの曇天。しかも1時すぎには雪まで降り出す始末。実は御殿場にはもう10数回来ているが、蒸留所にくると富士山が見えないということが続いている。勝率にすると3勝7敗くらいだ。近くの東山湖には年に1回くらい釣りに来ているが、この30年間で、富士山が見えなかったのは、それこそ2~3回。勝率で言えば9割超で、自他ともに認める晴れ男なのに、蒸留所だけが不思議だ…。

 それはともかく、これで今回の蒸留所取材はほぼ終了で、あとはひたすら原稿、編集作業である。すでにボトラーズ特集のところは書いたが、いよいよ巻頭の原稿である。と、その前にやらなくてはと、この土日は『ウイスキー千夜一夜』の第3巻・4巻の校正、そして画像選び、編集作業に明け暮れた。なんとか3月下旬のフェスには間に合わせたいと思っているし、フェス当日のセミナーついても、かなり固まってきた。それも今週中に発表できるだろう。乞うご期待である。


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