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  11 ,2021

プロフィール

mtsuchiya

現在、作家、ジャーナリスト、エッセイスト、ウイスキー評論家、日本初のウイスキー専門誌『Whisky Galore』(2017年2月創刊)の編集長として活躍中。2001年3月スコッチ文化研究所(現ウイスキー文化研究所)を設立。

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「六甲山蒸溜所と黄桜の丹波蒸溜所」
 先週はインタビュー(ガロアの編集長インタビュー)や取材、ミーティングが相次いでいたが、ようやく土曜日にガロアの原稿に着手し、昨日の日曜は再び朝イチの新幹線で新神戸へ。そこからタクシーで六甲ケーブル下駅まで行き、10時20分のケーブルで、六甲山へ。『フォーカス』時代も含め神戸には何十回ときているが(当時は山口組の取材も多かった…)、六甲山に上るのは初めて。ましてやケーブルも初体験である。

 ケーブルカーは10分ほどで山頂に着き、そこからバスで記念碑台下へ。さらに歩いて4分ほどでアクサスが今年8月にオープンした六甲山蒸溜所へ向かう。次号のガロアの取材で、ライターやカメラマンの手配ができず、今回は私一人での取材だ。案内してくれたCEOの久岡さんによると、建物自体はもともと製薬会社の保養所だったもの。六甲山は国立公園内で新しい建物を建てることは厳しく、ましてやウイスキー蒸留免許、製造については神戸市と何度も話し合ったという。そのため、保養所の建物におさまるように、見事にコンパクトにできている。ワンバッチは300kgで、麦芽はグリストの状態で入ってくる。発酵槽は2基だけで、スチルも1基しかスペースがなく、ホルスタイン社製のスチル1基で初留も再留もやっている。世界中でいろいろな蒸留所を見てきたが、設備そのものでいえば、アイリッシュのキルオーウェンより小さいかもしれない。(キルオーウェンはワンバッチ200kg)

 詳細はガロアにゆずるとして、結局1時間半ほど取材をして、その後歩いて記念碑公園、さらに神戸ゴルフ倶楽部を見に行く。実は行きの新幹線の中で資料を見ているうちに、近くに神戸ゴルフ倶楽部があることに気付いたのだ。ここは日本最古のゴルフ場で、以前ここの100年史の編さんで、創設者アーサー・ヘスケス・グルームと、そのグルームが愛した〝ダンピーボトル″というスコッチを調べたことを思い出した。ゴルフ場の1番ホールがダンピーという名前で、ここでホールインワンをしたら、グルームが愛した通称ダンピーというスコッチが1本賞金としてプレゼントされたという。そのダンピーがどんなウイスキーか分からないかという問い合わせだった。

 たしか2003年のことだったと思うが、結局中身については分からなかった。ただダンピーというのはブランド名ではなく、ボトルの形がダンピーなことから、そう呼ばれたものと思われるとお伝えした。残された、たった1枚の写真(活版)からは、ラベルの文字は読み取れなかったが、ロゴマークが2頭のデミライオン(半身の獅子)で、これが1つならホワイトマッカイだが、そうではない。まぁ、それはともかく、その時から一度は訪れたいと思っていながら、すっかり忘れていた。ということで写真だけを撮りにゴルフ場を訪れ、その後、再びケーブルで下におり、バスで六甲道駅へ。JRで大阪に出て、そこからその日はおしまい。

 今日は朝9時20分のJRで丹波篠山の相野駅へ行き、そこで京都支部のKさん、黄桜のTさん、工場長のYさんらの出迎えを受け、車で20分ほどの黄桜酒造丹波工場へ。10月に稼働したばかりという、新しい丹波蒸留所を初めて見せてもらう。フォーサイスのスチル2基が入って、本格的に蒸留を開始して、まだ1ヵ月足らず。メディアの取材を受けるのも今回が初めてで、京都伏見のバーテンダーで、ウイ文研京都支部のKさんらも、今回無理をいって取材の手伝いをしてもらった。これも詳細は次号のガロアを見てほしい。

 蒸留棟にウエアハウス、その後オフィスで3~4種のテイスティングをし、帰りはそのまま伏見に帰るという広報のTさんの車で京都駅まで送ってもらい、そこから新幹線で東京にもどってきた。丸2日間の取材だったが、天候にも恵まれ実に面白い取材となった。

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