27
01 ,2014
午前中、『ブレンデッド大全』のアイリッシュの原稿を書き、午後イチでスコ文研。1時半から恒例の『ウイスキー通信』テイスティング座談会。
次号の通信からオールカラーになるのを受けて、テイスティングコーナーも、若干変えることにした。誌面構成はほぼ同じだが、採点方法を3年ぶりに見直し、従来のアロマ30点、フレーバー30点、バランス・総合30点から、アロマ30点、フレーバー40点、バランス・総合・フィニッシュを20点とした。
これは来たるべき「東京国際ウイスキーコンペティション」、TIWCのシミュレーションも兼ねていて、いわばその予行演習(?)。付加要素は、これは通信独自のもので、従来の項目ごとの採点から、一括して10点とした。詳細は2月25日発行の『ウイスキー通信』を見てもらうしかないが、かなり大胆に、個人のテイストで付けることが可能だと思っている。もちろんTIWCの時に、この付加要素をどうするかは未定だ。
という説明を最初に行い、それからいつものようにテイスティング。今回から新しいテイスター1人が加わり、テイスター総数は8名となった。次回以降は10人程度にしたいと思っている。毎回、1~2名の欠席が出てしまうので、その分多めに設定しておきたいからだ。これもTIWCを見据えたもので、本番は1テーブルにつき、ジャッジ7名で構成したいと思っている。そのジャッジテーブルが合計で5~6台、総勢40名近い審判団を組織したいと思っている。
それはさておき、今回のテイスティングアイテムは、①キングスバリー、メインバライル1980、②スプリングバンク、ガヤ・バローロ2004、③ブラックスネークVAT No.2ファーストヴェノム、④ボウモア、デビルズカスク、⑤ビッグピート クリスマスエディション、⑥フォアローゼズ リミテッドエディション2013の6種類。
①はニューポットの段階でブレンドし、それをシェリー樽に詰めて32年間熟成させたという、異色のブレンデッド。ダンカンテイラーの「ブラックブル30年」も、そうだったと思うが、1970年代終わりから、80年代にかけて、このような試みがボトラーズの間で流行ったのだろうか。というより、出所はもしかすると1ヵ所なのかもしれない。このメインバライルと、ブラックブル30年は樽の使い方など、よく似ているからだ。
②のスプリングバンクは最初の4年間をバーボンカスク、その後の5年間をガヤ・バローロのワインカスクで後熟させているが、まったくといっていいほど、ワイン樽の影響を感じない。本当にバローロのワインカスク…と、一瞬ラベルを確認したほど。それと、意外なくらいスモーキーなのも気になる。開けたてということがあるのかもしれないが、それにしてもである。
③のブラックスネークは、ややバランスの悪さを感じてしまった。まだ若いせいもあると思うが、どこかニューワールドのウイスキーのような、未熟さを感じてしまう。
④のボウモアはファーストフィルのシェリーバット樽からで、色が黒褐色に近い。とても10年物とは思えない力強さがあって、高評価。ただし、やや複雑さには欠けるかもしれない。2月下旬からの販売となるはずだ。
⑤のビッグピートは対照的に極端に色が薄い。ここまで薄いと、脱色したのかと思ってしまうが、そんなはずがないので、相当に使い古した樽なのだろう。中身はアードベッグ、カリラ、ボウモア、ポートエレンだということだが、明らかに若いアードベッグの風味を一番強く感じてしまう。と考えれば、この値段で、カスクストレングスなら、買いかもしれない。
⑥は言わずと知れた、バーボンファン待望の2013年のフォアローゼズのリミテッド。さすが125周年記念の年に出すだけあって、いつも以上に粋が集められている。バーボンとしてはスゴイの一語だが、こうしてスコッチを5アイテム、テイスティングした後では、あまりにも違和感があるという印象だ。最新の『Whisky World』では、Sさんも私も90点以上という高得点を与えたが、通信のテイスターの評価は、そこまでは上がらなかった。
ということで4時半に終了し、その後は再び事務仕事、大全の画像選び、そしてミーティングと続き、恵比寿の仕事場にもどったのは8時すぎとなってしまった。もうじき、1月も終わりである…。
* ウイスキー文化研究所公式HP
* ウイスキー文化研究所公式twitter
次号の通信からオールカラーになるのを受けて、テイスティングコーナーも、若干変えることにした。誌面構成はほぼ同じだが、採点方法を3年ぶりに見直し、従来のアロマ30点、フレーバー30点、バランス・総合30点から、アロマ30点、フレーバー40点、バランス・総合・フィニッシュを20点とした。
これは来たるべき「東京国際ウイスキーコンペティション」、TIWCのシミュレーションも兼ねていて、いわばその予行演習(?)。付加要素は、これは通信独自のもので、従来の項目ごとの採点から、一括して10点とした。詳細は2月25日発行の『ウイスキー通信』を見てもらうしかないが、かなり大胆に、個人のテイストで付けることが可能だと思っている。もちろんTIWCの時に、この付加要素をどうするかは未定だ。
という説明を最初に行い、それからいつものようにテイスティング。今回から新しいテイスター1人が加わり、テイスター総数は8名となった。次回以降は10人程度にしたいと思っている。毎回、1~2名の欠席が出てしまうので、その分多めに設定しておきたいからだ。これもTIWCを見据えたもので、本番は1テーブルにつき、ジャッジ7名で構成したいと思っている。そのジャッジテーブルが合計で5~6台、総勢40名近い審判団を組織したいと思っている。
それはさておき、今回のテイスティングアイテムは、①キングスバリー、メインバライル1980、②スプリングバンク、ガヤ・バローロ2004、③ブラックスネークVAT No.2ファーストヴェノム、④ボウモア、デビルズカスク、⑤ビッグピート クリスマスエディション、⑥フォアローゼズ リミテッドエディション2013の6種類。
①はニューポットの段階でブレンドし、それをシェリー樽に詰めて32年間熟成させたという、異色のブレンデッド。ダンカンテイラーの「ブラックブル30年」も、そうだったと思うが、1970年代終わりから、80年代にかけて、このような試みがボトラーズの間で流行ったのだろうか。というより、出所はもしかすると1ヵ所なのかもしれない。このメインバライルと、ブラックブル30年は樽の使い方など、よく似ているからだ。
②のスプリングバンクは最初の4年間をバーボンカスク、その後の5年間をガヤ・バローロのワインカスクで後熟させているが、まったくといっていいほど、ワイン樽の影響を感じない。本当にバローロのワインカスク…と、一瞬ラベルを確認したほど。それと、意外なくらいスモーキーなのも気になる。開けたてということがあるのかもしれないが、それにしてもである。
③のブラックスネークは、ややバランスの悪さを感じてしまった。まだ若いせいもあると思うが、どこかニューワールドのウイスキーのような、未熟さを感じてしまう。
④のボウモアはファーストフィルのシェリーバット樽からで、色が黒褐色に近い。とても10年物とは思えない力強さがあって、高評価。ただし、やや複雑さには欠けるかもしれない。2月下旬からの販売となるはずだ。
⑤のビッグピートは対照的に極端に色が薄い。ここまで薄いと、脱色したのかと思ってしまうが、そんなはずがないので、相当に使い古した樽なのだろう。中身はアードベッグ、カリラ、ボウモア、ポートエレンだということだが、明らかに若いアードベッグの風味を一番強く感じてしまう。と考えれば、この値段で、カスクストレングスなら、買いかもしれない。
⑥は言わずと知れた、バーボンファン待望の2013年のフォアローゼズのリミテッド。さすが125周年記念の年に出すだけあって、いつも以上に粋が集められている。バーボンとしてはスゴイの一語だが、こうしてスコッチを5アイテム、テイスティングした後では、あまりにも違和感があるという印象だ。最新の『Whisky World』では、Sさんも私も90点以上という高得点を与えたが、通信のテイスターの評価は、そこまでは上がらなかった。
ということで4時半に終了し、その後は再び事務仕事、大全の画像選び、そしてミーティングと続き、恵比寿の仕事場にもどったのは8時すぎとなってしまった。もうじき、1月も終わりである…。
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