午後3時6分に父が永眠。享年83。辰年生まれなので、今年で84歳になるはずだった。母が逝って8年半。一人で頑張ってきたのだが. . .。いろいろな思いが去来するが、悲しんでばかりもいられない。喪主として、やらなければならないことが、目の前に山のようにある。

　病棟の廊下からは正面に大佐渡山脈の雄大な景色が広がっている。珍しく晴天の一日で、純白の山並みがくっきりと浮かんでいる。こんな風景を見るのは高校以来、実に40年ぶりのことだ。

　すべての手続きを終え、葬儀社の車で自宅に帰り着いたときにはすでに日が落ち、今度は西空に宵の明星と木星、そして三日月が上下一直線に並んでいるのが見えた。

　まだまだ厳しい寒さが続いているが、雪国にも、もうすぐ春が来ることを、それは告げているかのようだった。

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