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  07 ,2017

プロフィール

mtsuchiya

現在、作家、ジャーナリスト、エッセイスト、ウイスキー評論家、日本初のウイスキー専門誌『Whisky Galore』(2017年2月創刊)の編集長として活躍中。2001年3月スコッチ文化研究所(現ウイスキー文化研究所)を設立。

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「アイルランド取材を終えて思うこと・・・」

 月曜の早朝にもどってきて、いきなりの猛暑と時差ボケもあり、少々まいっている。取材中に悪化した風邪もよくならず、本当はゆっくり休養したいところだが、それもままならず、山のように積み上がった仕事を、ひたすら片付けるのみ。

 とはいっても、このアタマでは原稿執筆はできないので、各種のミーティングや、コニサー教本の校正に明け暮れる毎日。夏から秋にかけてはイベントやセミナーが目白押しで、休んでいるヒマはまったくないからだ。

 それでも、せっかくアイルランドに行ってきたこともあり、急遽9月に「ブラッシュアップセミナー」を開催することにした。今回私が回った蒸留所は新旧合わせて14ヵ所。取材順に記せば、旧・新ミドルトン、ウエストコーク、ウォーターフォード、ウォルシュ、タラモア、キルベガン、クーリー、グレートノーザン、ボアン、スレーンキャッスル、ピアーズライオン、ティーリング、そしてグレンダロッホの14ヵ所ということになる。

 その中で初めて行ったのが新旧ミドルトン、クーリー、キルベガンを除いた10ヵ所だが、ミドルトンもすでにキャパシティは倍以上になり、新ミドルトン蒸留所の横にもう1つの新しい蒸留所が稼働しているし、クーリーも生産設備が一新。さらにキルベガンでは新たな蒸留釜が導入され、従来と違ってキルベガンで糖化・発酵・蒸留まですべてできるようになっていた。

 それにしてもアイリッシュ再生の勢いは凄まじい。日本やスコットランド、アメリカなどでこの何年かクラフト蒸留所を見てきたが(その数50以上)、アイリッシュのクラフトはもはやクラフトと言える規模でないところがほとんどだ。

 ジョン・ティーリング氏が創業したグレートノーザンはモルトとグレーン、さらにポットスチルの3つのタイプのウイスキーを造る蒸留所で、生産規模はミドルトンに次ぐアイリッシュ第2位にいきなり躍りでている。モルト以外に連続式を導入し、グレーンウイスキーも造るところは他にもウエストコーク、ウォルシュ、タラモア、スレーンキャッスルと、生産規模がそれぞれハンパない。

 かと思えばピアーズライオンのようにダブリンの由緒ある教会、セントジェームズ教会を蒸留所に改造したところもある。もともと11世紀に建てられた教会で、2エーカーの敷地内には10万体の遺骨が眠る墓地も含まれているが、それらも含めて今回、ダブリン市当局からピアーズライオン(オルテック社)に使用許可が出たのだ。

 スチルはヴェンドーム社で、もともとカーロウのビール醸造所でウイスキーを造っていたスチル。それを今回ダブリンの教会内に運び、そこでウイスキー造りを再スタートさせている。我々が取材に訪れた、まさにその日に、記念すべき初蒸留が行われ、スチルのセーフから初のローワインが流れ出た。

 いずれにしろ、アイリッシュはそれぞれのエピソード、ストーリーが満載で、聞いていてこれほど驚き、興奮した取材は珍しいかもしれない。たぶんに、イケイケのアイリッシュ気質も影響しているかとも思うが、そのスケール感、革新性、アイリッシュウイスキーに寄せる熱い想いが、ひしひしと伝わってきた。

 ということで、それを伝えるためのブラッシュアップセミナーである。前回同様、写真をスクリーンに投影しながら、さらにセミナーの最後はブラッシュアップでは初となるテイスティングコーナーも設けようと思っている。せっかくなので今回取材で手に入れたアイリッシュウイスキーも、飲んでもらいたいと思っているからだ。


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「アイルランド取材 その10」
取材最終日。この日は5日間お世話になったホリデーコテージをチェックアウトし、ダブリンの南のウィックローにあるグレンダロッホ蒸留所に向かう。ここが現在造っているのは主にジンで、春夏秋冬の異なる4つのジンで有名だ。スチルはホルスタインのハイブリッド。ただし現在はグレンダロッホの山中に新しい蒸留所を計画中で、そのプランも見せてもらった。

彼らのシンボルマークがグレンダロッホで修行し、のちに7つの修道院を建てたセント ケビンで広げた手の右手にブラックバード、そして左手に3個の卵を乗せている。彼らのオリジナルウィスキーの熟成年が7年、13年なのはその伝説にちなんでいる。

取材後、20キロ離れたそのグレンダロッホ、2つの湖とセントケビン教会、そしてケルト教会の象徴であるラウンドタワーを見に行く。今回3つのラウンドタワーを見たが、ここのが一番見事である。

湖のほとりで、私もセントケビンのポーズをとってみた。これで今回のアイルランド行も無事終了である。


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「アイルランド取材 その9」


いよいよダブリン取材の日。まずは10時にピアーズライオンの新しい蒸留所へ。ここは古いセントジェームス教会を改造した蒸留所で、スチルは祭壇だった場所に、まるで御神体のように安置されている。外は12世紀から続く由緒ある教会で中はクラフト蒸留所! おそらくこんな場所は世界中探してもどこにもないだろう。

テンプルバーのパブで食事し、午後はそこから歩いて20分くらいのところにあるティーリングの蒸留所へ。その途中でかつてのダブリンのビッグフォーのうちの2つ、トーマスストリート蒸留所と、ジョンズレーン、パワーズ蒸留所を偶然見つけて大興奮!

トーマスストリートはかつての風車、そして驚いたことにパワーズは三基のスチルが残っている。もちろん、どちらも野ざらしだ。

ティーリングではジョン・ティーリングさんの息子、スティーブンさんに案内してもらった。ここもじつに見事な蒸留所で面白い話も盛り沢山だ。

とにかくアイリシュは凄いとしか言いようがない。明日は最後の蒸留所、グレンダロッホに向かう。






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「アイルランド取材 その8」

今日は朝一9時半に、ドロヘイダの町はずれにある、ボアン蒸留所に行く。ここは昨年できたばかりの真新しい蒸留所で、まだウイスキーの蒸留は開始していない。現在はビールとジンと、そしてサイダー、リキュールなどを造っている。

それにしてもスチルは見事で、すべてイタリアのグリーンエンジニアリング社が作ったものだという。ボアンはアイルランドの伝説の女神の名前だ。クーリーの原酒を買ってきて、シェリー樽で熟成させたウィスラーという独自のブランドを販売したばかり。

その後、モナスターボイスに寄り、ラウンドタワーや見事なケルト十字を撮影したあと、3時半にスレーン城へ。ここでは現在ブラウンフォーマンが蒸留所を建設中。その工事現場を特別に見せてもらう。

すでに3基のスチルとコラムスチルは設置済みで、9月くらいにはオープンしたいという。決して大きくはないが、これもできたら見事な蒸留所となるだろう。何しろ城の中の蒸留所であり、ここは野外ロックのメッカとしても知られる場所だからだ。今年も6月にガンズ・アンド・ローゼズのコンサートが開かれ、8万人の観客が集まったという。


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「アイルランド取材 その7」

午前中はコテージから1時間半のところにある、クーリー蒸留所に行く。昨日同様、案内してくれたのはジョン・キャッシュマンさん。それとクーリー一筋29年のガブリエルさんだ。

クーリーを訪れるのはほぼ10年ぶりだが、いくつかの変更がある。詳細は省くが天気に恵まれ、取材も順調に終わる。その後近くのドルメンを見て、午後はダンダークのグレートノーザンへ。

創業者のジョン・ティーリングさんがサンドイッチを用意して待っていてくれた。これも詳細は省くが、じつに興味深い話を聞くことができた。たっぷり2時間の取材を終え、蒸留所をあとにする。


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